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お世話になっております。
ユニークワークス 上田です。
梅雨明けの空に入道雲が立ち上り、お盆商戦が目前に迫ってまいりました。
そんな中、今週は寂しい報せが届きました。
豊丸産業が、7月31日をもってパチンコ事業を停止したというニュースです。
報せを聞いた瞬間、私の頭に浮かんだのは業界の分析でも数字でもなく、若い頃に打った『ドラゴン伝説』『デンデンデン』『デラマイッタ』の記憶でした。
他のどこにもない、ちょっとふざけていて、でも真剣に「面白さ」と向き合う台を作る、私の好きなメーカーでした。
ちなみに私、『ナナシー』の全回転を外したことがあります。
負けた記憶なのに、今でも笑って話せる思い出です。
改めて2010年からの数字を見直してみると、ホールは約6,400店舗が姿を消した一方で、メーカーはわずか数社しか撤退していないという、あまりにも対照的な現実が浮かび上がってきます。
ホール:約12,500店 → 約6,100店(約6,400店減少・半分以下)
メーカー:撤退は西陣、豊丸などわずか数社(現在も81社が事業を継続)
毎日1店舗以上のペースでホールが灯りを消してきたこの15年間、機械を作る側の数は大きく変わりませんでした。
ホールの立場に立てば、憤りを感じるのも当然です。
機械価格は上がり、その投資を回収するため利益率も上がる。そして最後に負担を背負うのは、いつも財布を開いてくださるお客さまなのですから。
一方で、メーカーにはメーカーの事情があります。
普段からメーカー本部の方や開発者の方々とお話しする機会がありますが、今回の件でもこんな本音を聞かせていただきました。
「メーカーは開発費、申請費、製造費と、先行投資がとにかく大きい。莫大な費用をかけた以上、良台でもクソ台でも売らなければ会社が成り立たない世界なんです」
「あるメーカーの社長は『うちは愛されている』と言っていました。でも実際にはどうしようもない赤字で、『愛している』と言ってくれていたホールさんも助けてはくれませんでした」
「ユーザーに寄り添って価格を抑えて卸しても、設定は入らず利益だけを抜かれた事例も山ほどあります。ホール様が間違っているとは思いません。でも、オペレーション上どうしても難しいんです」
そして最後は、笑いながらこう締めくくられました。
「負けても、また打とうと思える台にせなあかん。三方良しって、ホンマにムズいっすよね」
私は、この言葉に今の業界が抱える本質と、簡単には答えの出ないジレンマが詰まっているように感じました。
ホールから見れば、メーカーは「利益を得ている側」。
メーカーから見れば、ホールは「愛していると言いながらも助けてはくれない側」。
そして、どちらの言い分にも嘘はありません。
誰か一人が悪いわけではない。誰もが救われない構造の中で、それぞれが自分の持ち場で必死に戦っている。
だからこそ私は、「メーカーが減れば良い機械だけが残る」とは思えないのです。
ダメな機種があるからこそ、良い機種が光る。
マンガも映画もスポーツも、裾野が広いからこそ頂点は高くなる。
挑戦するメーカーがいなくなった市場に残るのは、失敗しない「金太郎飴」のような商品ばかりになってしまうのではないでしょうか。
正直なところ、私自身も答えは出ていません。
「三方良しはホンマにムズい」
この一言こそが、今の業界を最も的確に表しているように思います。
答えがないからこそ、立場を越えて相手の景色を理解しようとすることから始めるしかない。
皆さまと一緒に考え続けていきたいのです。
66年間、たくさんの思い出をありがとう、豊丸産業。
助け合いの心を忘れず、業界全体を少しでも盛り上げていきたい。
そんな思いを新たにした一週間でした。
お盆商戦を目前に控え、お忙しい時期とは存じますが、今週もよろしくお願いいたします。