データを鵜呑みにしない「脱・平均」の営業

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お世話になっております。
ユニークワークス 上田です。

梅雨明けが待ち遠しい猛暑の日々、今週末は海の日の3連休ですね。
夏商戦の号砲まで、いよいよ秒読みです。

さて、今週はダイコク電機「DK-SIS白書2026年版」が発刊され、業界の話題を集めています。
ただ、本日お伝えしたいのは白書の解説ではありません。
このビッグデータを表面的にしか読めない店から衰退していく、という話です。

今回の白書で注目されている数字は次の通りです。

・参加人口:約1,609万人(18歳以上の6.6人に1人)
・20円パチスロの台数シェア(36.5%)が史上初めて4円パチンコを逆転
・4円パチンコの遊技時間・アウトは3年連続で過去最低
・遊技機1台あたりの購入額は48.4万円まで高騰

数字自体は紛れもない事実です。
ただし、これはあくまで平均値にすぎません。

問題は、この平均値が引き起こす行動です。

「白書でも4円は3年連続で過去最低。先のない市場だから、利益率を上げて取れるうちに取ろう」
「平均でこれだけ利益を取っているなら、うちも同じように取っていいはずだ」

そんなはずがありません、と申し上げたいのです。

4円のお客さまが減っているからといって利益率を上げれば、残ってくださった最後のお客さままで、自ら手放すことになります。
この10年で姿を消した約5,000店舗が、その結末を物語っています。

一方で、私が繰り返しお伝えしてきたように、競合が平均値を信じて4円から撤退・回収へ走る商圏だからこそ、4円を諦めなかった店には行き場を失ったお客さまが集まり、地域一番店として利益を生み続けています。

平均値の裏側には、いつもこうした逆説が隠れているのです。

ここで、少し業界の外へ目を向けてみます。
FacebookやInstagramを運営するメタ社が、全従業員の約1割のリストラを発表しました。
驚くべきことに、同社は四半期(3か月)で約3兆円規模の利益を生み出す、極めて好調な企業です。
つまり、業績不振だから人員を減らすのではありません。
人件費を削減してでも、AIへの投資を加速させるという経営判断です。
この流れは金融業界やコンサル業界にも広がり、日本にも形を変えて確実に押し寄せてくるでしょう。

では、AIに置き換わりやすい仕事には、どんな共通点があるのでしょうか。
手順が決まっていて、ルールどおりに進めればよく、自分の頭で工夫したり考えたりする必要のない仕事です。
お気づきでしょうか。

「白書がこう言っているから、この通りにやる。」

そんな経営は、まさにそれに当てはまります。

データ会社が導き出した結論を、そのまま実行するだけなら、その意思決定に人間は必要ありません。
ビッグデータの答えを書き写すだけの経営者は、自らの仕事を「AIに置き換えられる側」に差し出しているのと同じです。

では、私が繰り返し申し上げてきた「考える」とは、具体的に何をすることなのか。
それは、平均や前例どおりに動くことをやめ、自社・自店のキャラクターや理念、存在意義に真剣に向き合い、お客さまの感情を想像しながら判断することです。
忘れてはならないのは、お客さまはデータ上の数字ではなく、自分のお金を使って勝負してくださる生身の人間だということです。

その痛みや期待を受け止め、「この店で打ちたい」と思っていただける店の個性を磨くこと。
これはAIにもビッグデータにも決してできない、人間だけの仕事です。

厳しいことを言えば、データ会社の分析やセミナーには構造的な問題もあります。

答えを配れば配るほど、ホールは考えることをやめ、データへの依存を深め、システムを買い続ける。
ホールが考えなくなるほど、その答えを売る側は利益を得る構造です。

発信された正解を鵜呑みにした結果、どこも同じ調整、同じ機種構成、同じ営業になり、均質化が進む。
それが、衰退していく中小ホールの現実ではないでしょうか。

データは彼らのものでも、商圏とお客さまは皆さまのものです。
考える主導権まで渡してはいけません。

つまり、データとは「いま」を映すものであって、「未来」を決めるものではありません。
そのデータをどう解釈し、どう行動するかで、店の未来は大きく変わります。
ルールの内側だけで動く店はAIとビッグデータに飲み込まれ、ルールを超えて考え、お客さまの気持ちを汲み取り、自店ならではの価値を提案できる店だけが生き残る。
メタ社の決断が浮き彫りにした人間の価値は、そのまま私たちホール経営の生存条件でもあるのです。

3連休、そして夏本番へ。
今週も、考え抜く営業で走り抜けてまいりましょう。

よろしくお願いいたします。