データ分析と「痛みの理解」が最高の設定者を作る

(※こちらはバックナンバーです。最新のメールマガジンは会員の方のみに配信致しております。)

お世話になっております。
ユニークワークス上田です。

GWも中盤戦、世間は行楽渋滞で賑わっておりますが、ホールの現場はまさに熱気を帯びた戦場です。
連日データとにらめっこし、息の抜けない日々が続いていることと思います。

先週の『Lミリオンゴッド』のお話から一歩踏み込み、パチスロにおける「出玉の作られ方(保通協の型式試験)」という本質的なテーマについてお話しします。
ゴッドの異常とも言える出玉率の低さと波の荒さを、優秀な設定者はどのように捉え、どう飼い慣らしているのでしょうか。

大前提として、いま世に出ているパチスロ機は、すべて保通協の型式試験(17,500G試験など)をクリアした機種です。
出玉の設計者(メーカー)は、「どういう波を描けばこの試験を突破できるか」という17,500Gの完璧なシナリオを持っています。
しかし残念ながら、私たちがそのブラックボックスの中身を完全に知ることはできません。

ただ、ホールコンの実データには「お客様が実際にお金を使い、一喜一憂した最もリアルな感情」が刻まれています。
出玉試験は機械的であり、極端に言えば「差枚数と稼働の流れ」の管理に過ぎません。
試験を通過して世に出てきた以上、ホールの実稼働においても、機械は必ず「試験通過時に描いた出玉スランプ」と同じ軌道をトレースします。

このスランプの軌道を予測する上で、基本となるのは「リセット⇒リセット」間での管理という視点です。
機械の仕様上、MY値が高ければ高いほど、差枚数の飲み込みは暴力的になり、跳ね返りはより深く、遠くなります。
リセットには設定変更データも含まれるため、機械本来の純粋なスランプグラフを把握するには、自店のデータから「据え置き」のサンプルだけを抽出して集計するのが非常に有効です。
事実を客観的なデータとして蓄積することで、メーカーが隠し持つ「試験通過のシナリオ」がおのずと見えてきます。

熱心にデータを追う設定者は、言葉では言い表せない「なんとなくの違和感や法則」に気づき始めます。
「こんな時に、こんな出玉の波になる」
「このタイミングでリセットをかけると、こう動く可能性が高い」
これは単なる勘ではなく、無意識のうちに「保通協を通過した出玉スランプの法則」を感じ取っている証拠です。

ただ、機械に対する解像度が最も高いのはお客さまであることを忘れてはいけません。
「この飲まれ方は、あの機種と同じパターンでつまらない」
「この見せ方とループシステムは、完全に『喰種』の上位互換だな」
売る側(メーカー)よりも、買う側(ホール)よりも、打つ側(お客様)の解像度が圧倒的に高い。
理由は極めてシンプルで、「自らの身銭を切って、ヒリヒリとした勝負をしているから」です。
痛みと欲望が伴うからこそ、彼らの本能は設定者の思考を軽々と超えてきます。

では、身銭を切って機械の法則を見抜くお客様に、私たちはどうすれば勝てる(=納得させられる)のでしょうか。

答えは一つしかありません。
お客様に負けないほどの執念で、自店のホールコンのスランプグラフを「画面に穴があくほど」見つめ続けること。
そして、データを見るだけでなく、自らもスロットを打ち、お金を失う痛みや理不尽な飲まれ方を体感して、お客様の「リアルな感情」を深く理解することです。
事実を客観的に見つめる冷徹な「データ分析」と、お客様の痛みに寄り添う「感情の理解」。

この両輪を回し、その上で意図を持って「設定変更」や「リセット」の判断を下す。
これこそが、機械に翻弄されず、お客様の心を動かせる「最も優秀な設定者」の姿だと確信しています。

GW後半戦、お客様の感情とデータに向き合い、最高の営業をつくり上げてください。